日本の携帯電話創成期

日本で最初に登場した携帯電話は、今から35年ほど前になる1985年に発売されたNTTの「ショルダーフォン101型」です。このショルダーフォン101型は、肩掛けベルトで大きな携帯電話端末を持ち歩くスタイルでした。このショルダーフォン101型を使用するためには、保証金として23万円を用意したうえに、月額基本使用料が2万6,000円もかかっていた時代でした。重さが3kgもあったり、充電に8時間かかる上に通話できるのは40分だけと、今のiPhone世代の方からしてみたら考えられないようなスペックでした。しかし、このショルダーフォン101型は非常に多くの方が利用しており、主に忙しいバブル全盛期のビジネスマンなどがこぞって利用していました。

その2年後には、NTTからショルダーフォン101型が小型化されたハンディタイプの無線電話「TZ-802型」が発売されました。TZ-802型は重さが約900gもありましたが、サイズは高さ120mm、幅42mm、熱さ180mmとiPhoneよりはかなり大きいとはいえショルダーフォン101型発売からたった2年で驚くほど小型化されました。しかし、まだまだ一部のビジネスマンなどしか使用しておらず、このころから1990年代の後半になるまでは、ポケベルなどが全盛時代となっており、携帯電話は高嶺の花でしかありませんでした。